人にはいろいろな事情がある。僕がいまタイ王国バンコクに、短期ながら住んでいるのも、それなりの事情があってことなのだ。ワケあり、というと、なんだかうさんくさいけれど、働きの悪い脳ミソを使って考えた結果、タイでアパート暮らしをしてみている。

そんなことはともかく、僕が住んでいるのは、Victory Monument(戦勝記念塔)がある地域。アパート探しのときの条件は、とにかくBTSスカイトレインの駅が近くにあるところ。タイ人にとって、主な交通機関と言えばバスである。それは今も変わってはいない。バンコク市内を張り巡らしているバス路線は、うまく活用すればとっても便利。しかし、道路は車で溢れかえっている。慢性的な渋滞。しかも、夕方4時、5時頃からは、さらにひどい渋滞が起きる。

このようなバンコクの大渋滞への救世主として現れたのがBTSスカイトレイン。高架にある軌道を走るモノレールのような乗り物。記憶では1999年末あたりから運行を開始していたのではないかと思うが、とにかくバンコク市内での移動でBTSが使えるかどうかは、とても重要なことだ。

戦勝記念塔
これが戦勝記念塔。この塔の正確な由来については分からないので、後日アップデートしたいと思います。日本にあるタイ観光ガイドブックにも出ていると思うんですが・・・。
巨大バスターミナル

戦勝記念塔を中心とした巨大ロータリーは、バンコクの中心的バスターミナルの役割を果たしている。バンコク市内の路線はもとより、バンコク郊外へのバスもここを起点としているため、たくさんの人とたくさんのバスで終日、ごったがえしている。

しかし、バンコク郊外へ行く場合、通常の大型バスの他にワゴン車による郊外行きバス(乗り合いタクシー?)が、たくさん出ている。まだよく事情は理解できないが、これらのワゴン車のバスは、いわゆる白ナンバーで営業しているのではないか、とも思うのだが、別に問題ないのかも知れない。

現地の人に聞くと、大きなバスで行くより、このワゴン車のほうが早く着くのだそうだ。僕は利用したことはないが、ランシットにいるいっしー君は、よく利用しているようなので、今度、詳しいことを聞きたいと思っている。(笑)

Center One Shopping Plaza

ここは僕のアパートのすぐ近くのショッピング・プラザ。これまた詳細は不明だが、このショッピングプラザの近くからたくさんのワゴン・バスが大学向けに出るようで、しかも女子大生ばかりがそれを使っている。そのためか、このショッピング・プラザは、完全に原宿竹下通り、あるいは上野ABABのように、若い女の子をターゲットにしたお店ばかり。化粧品、文房具、服、携帯電話、キャラクターグッズ、薬・・・。

ここの半地下にスーパーマーケットが入っているため、僕は毎日、ここを利用している。平日の夕方近くになると、白いブラウスに黒いスカートという女子大生の制服姿を思い切り堪能できる(!?)のだが、男子の姿はちらほら見る程度。どうもそこがわからず気になっているのだが、きっとわからないままで終わりそう。

ここにはミスド、KFC、Swensen'sなどのファーストフードも入っているので、これも僕にとっては便利。ただ、日本と違ってファーストフードは、かなり割高な食事。近所の食堂で何か食べると30バーツ前後なのに対して、KFCなどでセットを注文すると75バーツ前後する。だから、タイでファーストフードに入っている若者は、けっしてお金がないからではない。たぶん、ファッションとして、マクドナルドやKFCなど外来の食文化に興味を持っているのだろう。僕から見れば、バミー・ナームやカーオパットクンのほうが、よっぽど健康的な食事に思えるのだが。

最近まで、このショッピングプラザに入った1階付近では、カレーや焼きそば、揚げ物などの総菜を売っていたが、今はブライダルコーナーに変わってしまった。また、元のような総菜売り場に戻ってくれる、晩ご飯を買って帰るのにとても便利なのだが、このままブライダルコーナーなんだろうか。

 

屋台&ステージ

今のアパートに住みだして数日後、突然、それまで、ただ何もない小さい公園だったところにステージが設営され、さらにたくさんの屋台ができ、テーブルとイスが並べられた。そして、周辺の歩道にもたくさんの屋台のお店ができてきた。

もともと歩道には屋台はあったのだが、なぜかかなり縁日っぽいノリで、屋台の中には空気銃で人形を倒すと商品がもらえる、みたいなものまで現れている。お祭りなんだろうか?(笑)さっぱりわからないが、もう2週間近く続いているので、お祭りっていうわけでもないような気がするが。

毎夜、ステージではいろいろな女性ダンスグループが踊ったりしているが、タイ語を解さない僕にとっては、ちんぷんかんぷんなイベントである。(笑)

住んでみて、まだ2週間足らず。毎日がサバイバル・ゲームのように過ぎていくけど、タイ人の笑顔のおかげで救われている。言葉が通じなくても微笑みかけてくれるこの国の人々は、ときとして、とても時間にルーズなことでこのコン・イーブン(日本人)を苦しめるけれど、そういうことを気にしている間は、まだまだこの国の人々の心を理解できていないのだろう。

アパートのベランダから外を眺めると、Victory Monumentの前をBTSスカイトレインが走っていく姿がよく見える。周囲には、タイの学生たちが暮らすアパートも数多くあり、近所の食堂は、あたかも下宿の食卓のようになっていることがある。

そんな光景を眺めつつ、いつか、彼らが談笑しているタイ語を理解できるようになるのだろうかと、ふと思いながら、今日もカーオパットクンを注文してしまうのだ。

(July 1, 2001)

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